警察官の顔を撮影し公開する権利は民主主義の根幹

フランスで警察官の顔の写真撮影や動画撮影及びそれらの公開を禁止する法案が出されて、反対運動が巻き起こっているそうです。

警官の「顔撮影禁止」に抗議 13万人デモ、一部暴徒化―仏

2020年11月29日07時36分

 【パリ時事】フランスで28日、警官個人の特定につながる顔の画像・動画の撮影や拡散の禁止を含む法案に反対するデモが行われ、内務省によれば全土で約13万3000人が参加した。パリでは暴徒化した一部デモ隊と治安部隊が衝突。ダルマナン内相によると、警官と憲兵隊の計37人が負傷した。

2020年11月28日、フランスのパリで、新法案に反対しデモを行う人々の写真
28日、パリで、新法案に反対しデモを行う人々

26日には、パリで警官らが黒人の男性音楽プロデューサーを集団暴行する様子を写した防犯カメラの映像がインターネット上で公開されたばかり。警察に対する国民の反発が一気に強まっており、デモを勢いづかせた。
 仏メディアによれば、パリでは約4万6000人がデモに参加。人々は「みんな警官は大嫌いだ」などと叫びながら通りを練り歩いた。パリに住む女子大学生エロディーさん(22)は時事通信に「撮影が禁じられれば、警官による暴力が隠蔽(いんぺい)されるようになる。法案を成立させるわけにはいかない」と訴えた。

警官の「顔撮影禁止」に抗議 13万人デモ、一部暴徒化―仏(時事ドットコム)

警察官などの公務員の顔を撮影し、その写真や動画を一般公開する権利を保障することは民主主義の根幹をなすものです。公人のプライバシーの件については、こちらで議論しましたが、警察官を初めとする公務員は巨大な権力を握り、どんな悪事でも行う可能性があります。それを阻止するには、写真や動画を一般公開するしか方法がないと言っても過言ではありません。

確かに、行政訴訟などの訴訟により公務員の行いを正すことができるかもしれませんが、訴訟には証拠が必要でしょう。写真も撮影できないのでは、十分な証拠が確保できません。そもそも、行政訴訟で勝訴するのは至難の業なので、写真もないのでは、さらに勝訴は難しいです。

それに、裁判というのは時間と労力が非常にかかり、簡単にできるものではありません。日常的に行われている警察官やその他の公務員の不正は、それを撮影して公開し、社会的な制裁を加えるのが合理的です。

警察官などの公務員の不正は広く行われています。例えば、日本でも、警察官は税金を公然と横領し、警察署内では、「裏金」と呼んで、制度化しています。公式には、この「裏金制度」はなくなったらしいのですが、元警察官の証言によると、なくなるわけがないらしいです。つまり、国民がよく監視していないとだめだということです。

警察官以外の公務員の場合でも、国民の土地の名義を勝手に変えて、業者に売った者までいます。しかも、何の責任も取らされていないようです。

こういう公務員の不正を正すことができるようにすることが民主主義社会の必須事項だと言えます。そうでなければ、民主主義社会はどんどん腐敗してしまいます。健全な民主主義社会を維持するためには、公務員、とりわけ、警察官は顔を撮影されて、一般公開されるべきだと言えるでしょう。

それにしても、13万人を越えるデモというのは、すごいことです。さすがにフランスはすごいですね。もし日本で同じような法案が提出されたら、これほどの反対運動が起きるかどうか怪しいです。しかし、これぐらいの反対運動は起こして然るべきだと思います。

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